中受のGHG

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首都圏の中学受験、公立中高一貫校の受検、勉強法、国語、社会についてのブログ

渋谷教育学園幕張から学ぶ

2016年春、東大合格者数で度肝を抜くような躍進ぶりを果たし、世間をあっと言わせた学校、渋谷教育学園幕張。飛ぶ鳥を落とす勢いに、この学校を扱った本はかなり出ていますが、今回はこの本を紹介します。

 

 

東大76名という数字は、もはや頂点校の一角どころか、その中核を張るといっても過言ではなく、これからますます渋幕は難しくなるという予感というか確信というかが、だれの頭のなかにも腰をおろしたことでしょう。

遅ればせながらこの本を手に取ったのもそういう訳で、私は恥ずかしながら田村哲夫という方をこれまで全く知らずに過ごしてきました。渋幕、渋渋の校長にして数々の業績と肩書きを持つ教育者ですが、ちょうど良い意味での「エリートらしさ」を持つ人物だと思いました。見通しの壮大さと思考の緻密さを併せ持ち、自然と、嫌味なく人の上に立てる感じと言うのでしょうか。

私学のキャラクターは創立者と校長で決まるというのも、やっぱりそうだよなと思える話です。

 

さて、そんなに東大合格者が増えているんだから、さぞ手厚く勉強を見ているんでしょうと思われるでしょうが、実はそこまでのことはやっていません、みな生徒の自主性に任せているんですよ。

というのが、いわゆる「名門校」が口を揃えていうセリフであり、私などはそこにある種の天狗っぷりを感じ取ってしまうのだが、やはり渋幕も同じようなことを言っています。

いわゆる「自調自考」というやつですね。自ら調べ自ら学ぶ。これを本気で、普通に実践しているのがすごいとしか言いようがないのです。とはいえ、完全に生徒に丸投げをしているわけではなく、やらせるべきことはきっちりとやらせている、という印象を受けました。

いろんなアカデミックなことはやるし論文を書いたりもするけど、大学受験のために必要なことは労を惜しみません、という姿勢。そのあたりの合理的な考え方が、伝統校とは一線を画すところなのかなと思ったりします。

やっぱり海外の大学受験に通じているという点がうらやましい。学校が一丸となって生徒の海外留学を支援しているので、出願や面接の受け方などのノウハウが蓄積されている。だから受かりやすいし、生徒も行きたい大学に行ける可能性が高まる。普通の高校だったら、海外の大学なんてどういう仕組みなのか知ってる人はだれもいません。勢い自分で全て調べなくてはならず、それだけで大変だし色々な不安があります。

それらを学校で全部見てくれるというのは、生徒にとっては心強い限りだと思います。

 

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