千葉県立千葉中、東葛飾中の一次検査合格発表を受けて
一次検査合格発表を受けて
昨日、千葉県立千葉中と東葛飾中の一次検査の合格発表がありました。
午前9時、さすが公立というか、本当に時間ぴったりでしたね。両校ホームページのトップに一次検査通過者の番号一覧が掲示されました。
そして両校ともに、計ったように324名の合格者。
東葛飾中が946名受験、千葉中が762名受験なので、それぞれ東葛飾中が約2.90倍、千葉中が約2.34倍の競争倍率でした。
二次検査は、ここからさらに80名にまで絞り込まれます。両校ともに4.05倍の倍率になります。ある程度棄権者もでるでしょうが、4倍前後は揺るがないでしょう。
一次検査は、例年あまり波乱の起きない結果となります。だいたい成績の順に合格率が高いです。
これは、両校がどちらも押しも押されぬ人気校であること、検査日に他の学校の入試日が重ならないことが大きく関係します。それはどういうことかというと、学力上位層から下位層までほぼまんべんなく受けるということです。
なかなか実力が追いつかず、合格が見込めそうにない層でも、他に受ける学校がないので、「受けるだけ受けよう」となります。したがって、合格枠の人数と学力上位層の人数がほぼ一致し、その子達が多少ミスしたとしても、点数の逆転が起こりにくいのです。
逆転合格の要因は
しかし、中には下克上というか、模試偏差値が低くても合格している例はありました。そういう受験生の、逆転の要因はどこにあったのでしょうか。
まだ正確なデータを出した訳ではありませんし、そんな時間はありませんが、いろんな所から聞いた話を総合すると、「迷いなく記述を埋めた生徒」、「時間管理がうまかった生徒」が逆転合格を勝ち取っていったようです。これは、特に東葛飾中でこの傾向が強かったように思います。
前の記事でも書きましたが、公立中高一貫校の適性検査は、記述問題が多い分、単問の数が私立などより少ない傾向にあります。したがって、当然一問あたりの配点が大きい。一問落としたらかなりダメージの大きい試験なのです。
その点、算数の問題や記号で答える問題は、「合っているか間違っているか」しかありません。つまりリスクの大きいゼロサムゲームです。けれども、記述には途中点があることが多いです。多少ミスっても△がもらえます。この△を積み上げていけば、あとは他の点と加えて合格最低点をクリアできます。
つまり、問題全体を見渡し、リスクの少ない記述で、△覚悟で全てを埋めきった受験生は、たとえ算数でダメだったとしても総合点で「うっちゃり」を決められた可能性が高いのです。
二次検査を受ける方へ
一次検査の合格、おめでとうございます。これは貴方の実力が正当に認められたということです。自信を持って二次検査に挑んでください。
二次検査は、ご存知のことでしょうが一次検査より数段難易度が上がります。ですから、当然合格最低点は下がります。
「自分が取れる問題」を冷静に見極め、それをキッチリと解ききることが合格への近道です。満点を取る必要はなく、まして全問を埋める必要すらありません。
しかし、易しい問題や記述の問題はできるだけ全て埋めきるようにしましょう。
そのために、残りの日数を時間管理と現場感覚を養う勉強に充ててください。
具体的に言えば、同等ぐらいの難易度の、他県の適性検査問題。個人的には都立武蔵、小石川、や京都府立、京都市立の問題がおすすめです。さらに、適性II-2で問われる聞き取りの練習をやりましょう。同じく、他県の適性検査問題の文章を題材に、お家の方や先生などに文章を読んでもらい、内容を要約する練習をしてください。テーマを的確に捉え、テーマを表すキーワードを要約に盛り込むことを忘れずに。健闘を祈ります。
一次検査を通過できなかった方へ
今回は運悪く不合格となってしまいましたが、厳しい競争を戦い抜いた自分を褒めてあげてください。
ここまでやり抜いたことは決して無駄にならず、必ず後々で生きてくるはずです。
もし、この後も私立に向けた受験勉強を続けるのであれば、まだ戦いは終わりません。中学受験を楽しめるのは一生のうちの今だけです。二度とこの苦しみと喜びは味わえません。心ゆくまで戦ってください。
これで中学受験が終わり、ということでしたら、まずはゆっくりと体を休めてください。お疲れ様でした。
しかし、遅くとも明後日には必ず机に向かってください。これまでの辛く厳しい日々は受検のためだけでなく、これまでに身につけたことは一生の糧となります。これを無駄にしないために、今度は中学に入った後のために勉強してください。