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首都圏の中学受験、公立中高一貫校の受検、勉強法、国語、社会についてのブログ

2017年度 都立桜修館の適性検査問題について

適性検査Ⅰ(作文)

毎年開けてびっくりの桜修館の作文ですが、今年は古典格言のような題材が取り上げられました。

 

「よき細工は、少し鈍き刀を使うといふ。妙観が刀は、いたく立たず」

 

 

これについて、「筆者が何を言いたかったか」を100字程度で述べ、それに対する考えを述べよ。という問いです。

 

もちろん、格言の現代語訳は提示されています。「古代の名工は、少し切れ味の鈍い刀を使うという。奈良時代の妙観という名人の刀は大して切れなかった。」
しかし与えられたのはこれだけで、後は自分で解釈しなければなりません。

 

一体何を書けば点が上がるのか、なかなか頭を悩ますところです。この出題で問われるのは、1つには文脈を読む力、抽象と具体を自在に転換できる言語能力、そして分析から主張へと展開できる論理性でしょう。
文脈とは、行間とかあるいは「空気」などと言われるもので、要するに「明示されてはいないが言わんとしていること」を意味します。


この格言であれば、本来なら前後に書かれていたであろういきさつを推測し、例えば「古代の名工が少し鈍い刀を使っていたのは、(鋭すぎる刀では細工が大雑把になってしまい、丁寧な仕事がしなくなりがちだからだ)」などというふうに補います。
そして、これを抽象化します。例えば、


→このように、優れた道具に頼っていると、ついつい細かい所に注意を払わなくなってしまい、雑な仕事になってしまう。注意せよ。


となります。この抽象化作業は絶対に必要です。解釈を「細工」だけに限定してしまっては、学校が求める「身近な題材の中から課題を見つけ」る力を示すことができないからです。
ここまでで100字。ここからおよそ500字で、この抽象化して得られたことについて自分の考えを展開します。
500字もあるので、何がしか具体的な体験やエピソードから入ったほうが良いでしょう。上の解釈で言えば、「優れた道具に頼って雑になってしまった失敗談」などが適当です。そして、その体験から学んだこと、最後にそれをさらに展開、抽象化して主張につなげることが出来れば、論理的かつダイナミックな作文になります。

 

最初の解釈については、もちろんある程度の幅があるでしょうし、そこからの抽象化や展開も当然、同様ですが、こういった作文の出題意図として、「受検生の人格的能力もみる」という性質があることから、可能な解釈であって論理的に通用する展開でも、「学校が求める人物像」から外れれば大きく失点することもあり得ます。


私見ですが、桜修館は「公共的視点を持つ作文」を高く評価する傾向にあると思います。公立ですから当然と言えば当然ですが、個人中心の価値観だけに閉じこもった主張で終始せず、「みんなのためになること」が結論で示せれば理想的です。

 

最後に、1つ気づいたこと。
これまでの桜修館の作文は、構成についてほとんど何も指定してきませんでしたが、今年は「筆者の考えを100字程度、自分の考えを次段落以降に書け」などと、かなり細かく指定しています。

条件を明確にすることで減点要因を明らかにしようとする流れかな、と個人的には思っています。作文の採点については、他の学校もそうですが、「何が良くて何が悪いか」が見えにくい現状がありました。そういうことがあると、大量の合否データを蓄積できる一部の大手塾だけが情報を持つようになり、公立中高一貫校の弊害とも言われかねません。ちょっと深読みしすぎかもしれませんが、情報開示の流れかなと期待しています。

 

適性検査Ⅱ

大問 小問 内容 難易度 配点 予想平均
1
1 けん玉状の平面図形の面積 A 4 3.2
2 円の面積などの計算 A 20 16
3 けん玉の技の得点計算 B 16 9.6
2
1 地温の変化と野菜の栽培 A 4 3.2
2 野菜の生産割合を求める B 18 10.8
3 産地ごとの出荷時期の違い B 8 4.8
3
1 太陽、ふりこ、ろうそくで時間を計る理由 B 6 3.6
2 適するグラフの選択 A 10 8
3 対照実験の検証 C 14 4.2
合計 100 63.4

桜修館の適性検査は、大問1の算数的問題のみ自校作成で、そのほかは共同作成問題です。

 

例年、共同作成問題よりやや難度が高い問題で、合否を分ける問題となります。

その中でも、今年はやや易しめですが、小問の数がやや多く解くのに時間がとられた場合、続く大問23に影響してしまうおそれがあります。

けん玉を題材にした図形の問題で、小問3の条件がやや複雑ですが、計算手順などはすべて問題上で示されているため、よく読めば立式は容易です。まさに読解力の勝負です。

 

 まとめ

桜修館の配点は内申3割、適性検査Ⅰが2割、適性検査Ⅱが5割ですから、作文(適性Ⅰ)はさほど大きなウェイトを占めているわけではありません。

やはり適性検査Ⅱできっちり取ることが合格に結びついたといえるでしょう。

今年の問題は、上でも述べたように、時間をコントロールが難しい問題でした。それだけに、最初の算数にむやみにこだわらず、全体を見て大問2や3の取れるところをきっちりと埋めることが必須条件です。

 

 

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