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首都圏の中学受験、公立中高一貫校の受検、勉強法、国語、社会についてのブログ

中学受験の始め時はいつ? 「10歳の壁」と認知能力の質的変化について

学習・受験全般

2月という時期

 

中学受験生の総決算、入試本番は2月ですが、下の学年の子たちにとっても試練の時でもあります。

 

多くの中学受験塾で、2月に新学年の授業が始まります。学年が上がれば、まず通塾回数が増えるでしょう。それに比例して、習得するすべきスピードも上がり、内容もより高度なものになります。

他にも、クラスの再編などがあって一緒に学ぶ仲間が変わり、受け持ちの教師も変わることが多いでしょう。2月は環境激変期で、塾側もそうですが、家庭でも子供の様子に注視しなければなりません。

 

これから塾に通うことを検討されている方にとっても、2月から始めることを検討される場合が多いのではないでしょうか。どうせ始めるならば、学期の途中から入れてしまうより、ことの初めから入れたほうが子供にかける負担は少ないですから。

 

中学入試の始め時は4年生か 

 

一般に、中学受験の勉強を始めるのは「遅くとも4年生」と言われてきました。塾のカリキュラムも、ほぼそれに合わせて作られています。1〜3年生のカリキュラムはどちらかというと「楽しさ優先」で、パズルっぽい算数とか読書などを通して、勉強に対して前向きな子供にしていくというのが主眼です。それに対して4年生以上は、本格的に受験に必要な教科学力をつけていくというものです。

最近では、「4年からでは遅い」と、本当に低学年のうちから通塾させるような主張や、一方で「受験はさせるけど、それだけで小学校生活を終わらせたくない」と、4年のうちはあえて家庭学習を選択する家庭も増え、受験に対する考え方も多様化してきています。従来のような「良い大学=良い会社=良い人生」という構図が通用しなくなって久しい時代ですから、当然のことでしょう。 

 

「10歳の壁」について

 

「10歳の壁」というのは、主に教育現場で古くから言われてきた言葉だそうで、教室の先生たちの実感から生まれてきたものでした。

3年生から4年生にかけ、子供たちのなかで勉強についていけなくなったり、問題行動を起こしたりする例が増えていく、これを「10歳(9歳)の壁」とか「峠」などと呼びます。

この年齢になると、子供たちのなかに何が起こるというのでしょうか。

 

認知能力の質的変化

 

7歳から11歳の時期、子供の認知能力に大きな変化が訪れます。それ以前の時期を「具体的操作期」といい、11歳以降を「形式的操作期」と言います。

「具体的操作期」においては、日常生活で見聞きし、触れ得るものについては思考することができますが、触れたことのないもの、現実に存在する事物を離れた抽象的な概念を使ってものを考えること、つまり抽象思考となると、もうお手上げです。

「子どもの『10歳の壁』とは何か?」という本では、例としてこんな実験が紹介されています。

①二つの同じ大きさのコップに、同じ量だけ色水を注ぐ

②細長い別のコップを用意し、片方の色水をそちらに移す

③「こっちの色水は増えたかな?減ったかな?」と子供に尋ねる

 

上の実験では、「保存の法則」という抽象的な概念を使ってものを考えられるかどうかがわかります。「具体的操作期」にある子供達は、色水の水位が上がるのを見て「増えた!」と言うが、「形式的操作期」に入った子供は、コップを移しても水の量は変わらないはず、と考えることができるので、「増えても減ってもいない」と答えることができるそうです。

 

さて、このような認知能力の質的変化、いわゆる「抽象思考の獲得」こそ、中学受験に向けた勉強において最も必要となるものです。しかしこれが起こるのは、もちろん個人差があり、順調に抽象思考へ移行できた場合と、なかなか具体的思考から脱しきれない子供との間で差ができ、それが「10歳の壁」と言われるようになるのです。

「10歳の壁」あるいは「10歳の変化」、「飛躍」と言ったほうがよさそうですが、もちろん認知能力だけでなく、心情や人間関係においても大きな変化が起こります。これによって子供の世界が格段に広くなり、より多様な視点から世界を見ることができるようになるのです。

 

「10歳の飛躍」の起こり方について

 

では、「10歳の飛躍」は、どのようにして起こるのでしょうか。

幼児期から小学校低学年の間に、身の回りの事物をよく観察させ、それらと多様な関わり合いを持ち、文字通り世界の中に身を置くことで、モノとモノ、あるいはヒトとモノの関係性を一つ一つ体感することが大切だと、この本は言います。

 

また、別の本ですが、「『学力』の経済学」では、「幼児教育にはその後の人生における年収を増大させるために大きな影響を及ぼす力がある」と言います。ただしそれは、教科学習においてではなく、「忍耐力」や「社会性」などの、非認知能力と呼ばれる力の方に大きな影響力があるということでした。

 

 

 だとすると、まだ「具体的操作期」にある子供にとって、能力を伸ばす最大の方法は、必ずしも塾に通わせることではないのかもしれません。

まず、日常の中で、たとえばお手伝いや散歩、多様な人々との関わり合いを通して思考力を飛躍させる準備を積むこと。そして抽象思考の入り口に立った時こそが、真の「始め時」なのだと思います。 

「もう4年生だから」ではなく、子供の成長をしっかりと見つめ、始め時を見極めていきたいものです。

 

  

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