中受のGHG

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首都圏の中学受験、公立中高一貫校の受検、勉強法、国語、社会についてのブログ

三大塾の入試動向分析からいろいろ邪推してみる

リセマム掲載の四谷、サピックス日能研の来春中学受験動向についてのインタビュー記事を読み返しています。

各塾の担当者が言っていることの共通点や相違点をチェックしてみて、何か見えてこないかを確かめてみたいと思いました。

resemom.jp

 

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 各塾の言及を比較

1月入試について

サピックス

東大合格実績の急上昇を受け、渋谷幕張の人気が高い。東邦大東邦の推薦入試の新設も注目。

四谷大塚

専修大松戸の人気アップ。大学付属ながら他大学への進学実績が好調で、評価が高まってきている。合不合テストの動向から、渋谷幕張の人気が高い。

日能研

特定の学校名については言及なし

 

2月入試・男子について

サピックス

麻布、武蔵の人気が高まる。両校の行ってきた思考力重視の教育、本物志向の授業は、以前は大学入試に適合しないと評価が低かったが、大学入試改革の情報が広まり、むしろ時代が両校に追いついてきたと言える。

四谷大塚

2月1日、3日の早稲田、海城の人気が高まっている。早稲田は東大実績の伸びが評価され、付属校というよりも進学校としての教育が注目を集める。武蔵、麻布、早大学院の人気も高い。

日能研

麻布、武蔵の志願者が増えている。もともとの質の高い教育に加え、発信力が高まっていることが要因。

 

2月入試・女子について

サピックス

共学志向が高まり、大学付属校への志望増。渋谷渋谷、渋谷幕張への志望も増えた。桜蔭、女子学院、雙葉は微増。面倒見の手厚い豊島岡の人気が高まる。

四谷大塚

鷗友学園、女子学院、吉祥女子、雙葉、立教女学院の人気が高い。

日能研

鷗友学園、吉祥女子、洗足学園の勢いが強く、豊島岡とともに女子御三家に接近してきている。富士見・田園調布学園・山脇学園も、アクティブラーニングを取り入れた授業が評価を集めている。

 

2月入試・共学校について

サピックス

特にMARCH系付属校への人気が高い。大学との密な連携や、系列校への推薦権をもったまま他の国公立大を受験できるなどのメリットが高評価。芝浦工大は共学化や算国理の三教科受験が、理系志向の高い受験生に注目されている。

四谷大塚

渋谷渋谷の人気が上昇。広尾学園は、グローバル教育やICT教育など、最先端の教育環境が評価され、特に注目に値する。1日の本命校を蹴って進学する生徒も増えてきている。豊洲に新校舎が落成する芝浦工大も、付属校でありながら進学校としての実績が高く人気が出ている。

日能研

広尾学園、開智日本橋、三田国際、安田学園の志願者が増えている。

公立中高一貫校について

サピックス

横浜市立横浜サイエンスフロンティア高附属の開校は注目。大学並みの研究施設、最先端の理系教育を受けられるメリットは高い。海外研修の充実している小石川、アクティブラーニングを取り入れたオールイングリッシュの授業を行う千葉県立東葛飾も質が高い授業を行っている。

四谷大塚

横浜市立横浜サイエンスフロンティア高附属の開校は注目。

日能研

横浜市立横浜サイエンスフロンティア高附属は、浅野と日程が重なるため、影響は限定的と見る。

 

まとめ

1月入試について最も言及が多かったのはサピックスでした。渋幕だけでなく、東葛飾についても教育の中身にまで言及し、高く評価していることが読み取れます。サピックスはこれまで公立中高一貫校にはそれほど関心を示していませんでしたが、いよいよこの方面にも手を伸ばすのでしょうか。

男子校については、「麻布」「武蔵」に話題が集中しています。武蔵は5年ほど前から広報活動に力を入れ始めたと聞いています。

女子は、鷗友、吉祥女子、洗足が話題の中心でした。この3校の人気の高まりはここ数年に始まったことではありません。女子校はサンデーシフトでもなければ注目校が2月1日に集中してしまうのがこれまでの流れでしたが、この3校が頂点校の一角に連なってくれることで、女子の選択肢が広がり、受験の幅が広がっているのは良いことだと思います。

共学校では、一つはもちろん大学付属校の人気が再燃していること。大学入試改革をひかえ、どうなるかわからない入試を不安視した層が多いと説明されることが多いです。不透明な制度変更に振り回されるよりは、中学の段階で進路を決めてしまい、あとはのびのび自分のやりたい活動をさせてやりたい、というのはもっともなことだと思います。

もうひとつは、「共学化して生まれ変わった学校たち」です。広尾学園に始まり、三田国際、開智日本橋などが名を連ねています。もともとは受け皿的な意味合いの強い女子校でしたが、先進的な教育をとことん追求して、とにかく良い教育を子どもたちに与えようという気迫が、矢継ぎ早の学校改革から伝わってきます。そういったところも人気の秘密でしょう。

塾というのは本来、受験のトレンドを左右する機能を持った機関ではありませんが、保護者や受験生の最も近くで対応する窓口になっているという性質上、最も受験動向に鋭敏なアンテナを張っていると言えます。

 

読み取れる2017年首都圏中学入試のキーワード

  • 渋幕の躍進
  • 公立中高一貫校のブランド力高まる
  • 麻布、武蔵人気の高まり
  • 鷗友、吉祥女子、洗足の頂点校入り
  • 大学付属人気の再燃

 

 

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